偏頭痛の痛みは変則的|予期せぬタイミングでズキッとくる

先生

頭痛持ちの体質改善方法

看護師

痛みに敏感な脳の特徴

頭痛持ちと呼ばれる人は有名人の中にも少なくありません。誰もがその名を知る国民的作家も頭痛持ちで知られていましたが、その症状は典型的な偏頭痛だったことが窺えます。いろいろなタイプのある頭痛の中でも、偏頭痛は痛みの激しいことで知られています。発作が起きる回数は年に数回から月に数回という頻度まで、その人によってさまざまです。脈動性の激痛が数時間ほど続くのが普通ですが、長ければ数日にもわたって痛みに苦しめられる人もいます。偏頭痛が起きるメカニズムも、現在ではかなり細かいところまで判明してきました。物理的・化学的な誘因やストレスが引き金となって三叉神経が刺激されると、脳の血管が拡張して炎症が生じるのです。直接的にはこの炎症が痛みを引き起こしているために、従来の偏頭痛治療では対処療法的な鎮痛薬が中心でした。その後は脳の血管拡張を抑える薬が開発され、偏頭痛の特効薬とされています。偏頭痛が慢性化している人の脳は、そうでない人の脳と比べて一種の過敏状態にあると推測されます。発作のきっかけとなる誘因としては、眩しい光や騒音などの強い刺激が挙げられます。知覚過敏の状態にある脳はこうした刺激に過剰反応してしまい、それが結果的に三叉神経の異常な興奮につながっているのです。脳の神経細胞ではセロトニンという物質が分泌され、細胞間の電気信号伝達を調節しています。強いストレスを受けるとこのセロトニンの分泌量が減少し、脳の血管が収縮することも知られています。ストレスから解放されるとその反動で脳の血管が急激に拡張され、同様の炎症と痛みが発生してしまうのです。このように偏頭痛が発生するプロセスには脳が深く関わっています。いわゆる頭痛持ちの人の脳では、バランスが乱れて過剰な反応が起こりやすくなっています。結果として痛みが増幅される傾向も見られるため、症状を緩和するにはこの知覚過敏の状態を解消させる必要もあるのです。

脳を鍛えて痛み軽減

薬物療法中心の内科的治療では、このような脳の過敏状態を改善させるのは難しいと言えます。偏頭痛を予防する薬は存在しますが、薬を飲み続けるというのも日常生活の負担となります。頭痛持ちの体質を改善させられるような根本的解決法があれば、誰でもそちらを選びたくなるものです。偏頭痛は病院で検査を受けても脳に異常が見つからないタイプの痛みです。そのため医学的には不定愁訴と呼ばれる症状の1つに挙げられます。基本的に西洋医学は検査で異常が見つかる症例に対しては有効ですが、こうした不定愁訴の治療はむしろ東洋医学の方が得意と言われています。西洋医学を基礎とする診療科でも、精神科だけは例外的に不定愁訴の治療を得意としています。クリニックによっては精神科ではなく心療内科と名乗っているところもあります。どちらも基本的に心の治療を行なう医療機関ですが、心の病が原因でさまざまな身体症状が発生する例は少なくありません。偏頭痛を含む心因性の身体症状は原因となる身体疾患を欠いているため、内科的治療よりも精神科や心療内科での治療が適しているのです。統合失調症や不安障害などの精神疾患でも、身体症状として偏頭痛を伴う例が多く見られます。心の変調は頭痛として表れやすく、心を治療することで同時に頭痛も解消していくと考えられています。精神科も内科と同じく医療機関に属しますので、偏頭痛の急性期には痛みを抑えるために鎮痛薬などの薬を使います。その一方では精神科の得意とする心理療法の分野で心の葛藤を解きほぐし、頭痛が起きにくいように脳を調節していくのです。精神科の持つこうした頭痛治療のノウハウを活用すれば、頭痛持ちの体質を改善させることも可能です。偏頭痛の原因となっている脳の過敏状態も、心の側からのアプローチによって解消できるのです。心理療法を通じて脳の鈍感力を鍛えていけば、長年悩まされてきた偏頭痛から解放される日も近づきます。